英国王立音楽検定ABRSM

理論グレードのレベルと内容

<2018年度からの変更点>

■グレード1~5について

・楽語、用語は択一式に変更
・リズム、メロディーの記入式⇒廃止 /G5でのSATB問題の廃止

その他に、問題用紙のレイアウト、設問表現の改良。

変更後の問題サンプルは以下よりダウンロード可能です。
https://jp.abrsm.org/en/theory2018/free-practice-materials

<各グレードについて>

■グレード1

  • 1全音符、2分音符、4分音符、8分音符、16分音符、およびそれらと同じ音価の休符。タイ。付点音符、およびそれと同じ音価の休符。
  • 22/4、3/4、4/4の単純拍子記号、小節線。また、これらの拍子における音符や休符(上記のグレード1で扱う範囲内)の正しい書き方。与えられたリズム(第1拍目の頭から始まる)に続く、2小節の応答リズム創作。
  • 3音部記号。ト音記号とヘ音記号。両者の譜表上における音名。(中央のハ音を含む)シャープ、フラット、およびナチュラル記号と、それらの取り消し方。
  • 4全音と半音の配列を含む長音階の構成。ト音記号およびヘ音記号におけるハ長調、ト長調、ニ長調、ヘ長調の音階と調号。またそれらの調の主和音(基本形)、音階度数(音階の何番目の音かを数字で表す)、および主音からの音程(数字で表す)。
  • 5一般的な楽語と記号。速度表示、強弱記号、奏法やアーティキュレーションの指示などが含まれる。ト音記号、またはヘ音記号を用いて書かれた旋律に関する簡単な質問。

■グレード2

グレード1の内容に加えて

  • 12/2、3/2、4/2、3/8の単純拍子記号。これらの拍子における、音符と休符の組み合わせ。
    3連符、および休符を含む3連符。与えられたリズム(第1拍目から始まる)に続けて4小節のリズム創作。
  • 2五線の上、下それぞれ2本までの加線音符。
  • 3 短音階の構成。和声短音階、旋律短音階のいずれを用いるかは、受検者の選択による。どちらを用いるかは明記のこと。イ長調、変ロ長調、変ホ長調、およびイ短調、ホ短調、ニ短調の音階と調号。またそれらの調の主和音(基本形)、音階度数(音階の何番めの音かを数字で表す)および主音からの音程。(数字で表す)
  • 4一般的な楽語と記号。

■グレード3

グレード2までの内容に加えて

  • 16/8、9/8、12/8の複合拍子。これらの拍子における音符と休符の組み合わせ。32分音符と32分休符。4小節のリズム創作。(弱起の曲を含む)
  • 22本以上の加線音符。ト音記号上に書かれた簡単な旋律を、ヘ音記号上に1オクターブ低く書き直す。およびその逆の作業。
  • 3シャープ、フラットそれぞれ4つまでの長調と短調(和声短音階と旋律短音階を含む)の音階と調号。それらの調における主和音(基本形の)、音階度数(数字のみ)、および主音からの音程(数字と種類)
  • 4楽語。旋律に関する簡単な質問。(フレーズの構造に関する質問を含む)

■グレード4

グレード3までの内容に加えて

  • 12拍子系、3拍子系、4拍子系のすべての単純拍子と複合拍子。これらの拍子における音符と休符の組み合わせ。2全音符(倍全音符)と2全休符。複付点音符と休符。2連符。4小節のリズム創作、または受検者の選択により、与えられた英語の歌詞にリズムをつける課題。(日本語で受検する場合は、4小節のリズム創作を選択)
  • 2アルト記号(第3線上のハ音記号)。このグレードで扱うすべての調における、ト音記号、へ音記号、アルト記号上での読譜。ト音記号、またはヘ音記号で書かれた簡単な旋律を、高さを変えずにアルト記号上に書き直す。およびその逆の作業。ダブル・シャープとダブル・フラット、またはその取り消し。異名同音。
  • 3シャープ、フラットそれぞれ5つまでの長調と短調の音階と調号。全音階における音階構成音の名称(主音、上主音など)と半音階。このグレードで扱うすべての調における2音間の音程。(オクターブ以内)
  • 4このグレードで扱うすべての調の主和音、下属和音、属和音の基本形を判別。(短調では和声的短音階が使われる)
  • 5楽語、およびトリル、ターン、モルデント、アッチャカトゥーラ(短前打音)、アッポジャトゥーラ(長前打音)の認識。装飾音の書き方は含まれないが、各名称を答えられること。オーケストラで一般的に使用される楽器について。

■グレード5

グレード4までの内容に加えて

  • 15/4、7/4、5/8、7/8の混合拍子、これらの拍子における音符と休符の組み合わせ。単純拍子における拍の不規則な分割。
  • 2テノール記号(第4線上のハ音記号)。このグレードで扱うすべての調における、4種類の音部記号(ト音記号、ヘ音記号、アルト記号、テノール記号)上での読譜。ある音部記号で書かれた簡単な旋律を、高さを変えずに他の音部記号に書き直す。移調楽器(in B♭,in A,in Fなど)用に書かれた旋律を、実音に書き直す。およびその逆の作業。(移調する音程度数は指示される)大譜表に書かれているソプラノ、アルト、テノール、バスの4声体の曲の一部を、ト音記号とヘ音記号を用いて、各声部ごとに分けてスコアに書き直す。およびその逆の作業。
  • 3シャープ、フラットそれぞれ6つまでの、長調と短調の音階と調号。単音程と複音程。
  • 4このグレードで扱うすべての調の主和音、上主和音、下属和音、属和音の、基本形および第一転回形の判別。このグレードで扱うすべての調の、属和音の第二転回形、および第二転回形から基本形への和音進行の認識。ハ、ト、ニ、ヘ各長調の簡単な旋律における終止形での和音選択。
  • 5与えられた曲の冒頭部分に続けて、8小節以内の簡単な旋律(指定された楽器のための)を創作。
    その際、楽器に関しては、選択肢が与えられる。また、テンポ、ダイナミクス、アーティキュレーション等、演奏上の指示記号もつけること。
  • 6楽語と記号。装飾音の認識。適切な装飾音の記号を用いて、音符を書きかえる。その逆の作業は含まれない。声楽曲、あるいは器楽曲からの抜粋より、声部の種類(ソプラノ、アルト、テノール、バスの区別)、楽器の名称、音部記号、楽器の分類、楽器の発音方式などの質問。理論の応用力、一般的な音楽的観察力に関する問題も含む。

■グレード6

グレード5までの内容に加えて、和声の範囲が次のようになります。長調、短調(和声的、旋律的)の音階におけるすべての和音の基本形、第一転回形、第二転回形の用法。属七の和音の基本形、第一転回形、第二転回形、第三転回形、および長調、短調における二度上の七和音の基本形、第一転回形の認識。また、これらの和音すべてを含む数字付き低音の和声実習。転調の原則や終止形、および装飾音や非和声音(経過音、補助音、倚音、逸音、先取音などを含む)などの知識が問われます。

  • 14声体の混声4部合唱のスコア、またはピアノ譜(大譜表)による4小節程度のバス課題(受検者が選択)。
  • 2全ての調における8小節の全音階的旋律の和声付け。音符による和声の記譜、または数字付きバスの記入(受検者が選択)。
  • 3指定された楽器(選択肢あり)での旋律の創作課題。冒頭部分に続け、属調、下属調、平行調への転調を含む。
  • 4ピアノ、混声4部合唱、またはさまざまな合奏曲(声楽も含む)のスコア・リーディングとそれらに関する知識について。スコア上における装飾音の奏法や和声の判別、楽曲構成、様式、演奏に関する諸問題を含む。

■グレード7

グレード6までの内容に加えて、全ての長調、短調における音階上の四和音とその転回形、ナポリの六、減七の和音が含まれます。また、それらの和音が使用されている1620-1790年代作曲家の通奏低音のバス課題の実習。

  • 1与えられたバスおよび旋律(ソプラノ)に和声付けし、内声部の動きを書き入れる。
  • 2掛留音などの非和声音を含め、与えられたパッセージを書き直す。
  • 3与えられた冒頭に続けて、ピアノ伴奏の付いたソロ楽器の旋律を創作する。
  • 4ピアノ譜、または混声合唱のオープン・スコア、または声楽を含むアンサンブル・スコアからの抜粋より設問。装飾記号の奏法や和音分析、楽句の構成、様式、声楽や楽器の演奏法を含め、楽曲分析や読譜力の知識が広く問われる。

■グレード8

グレード7までの内容に加えて、和声上の範囲がさらに拡がり、全音階的音階、半音階的音階におけるすべての和音が含まれます。

  • 1与えられた冒頭部分に続けての創作課題。出題はバロック様式のトリオ・ソナタで、編成はト音記号で記譜される2つの楽器と通奏低音。
  • 2鍵盤楽器のための短い楽曲の、抜けている部分を書いて楽譜を完成させる。ハイドン以降の時代の作曲技法の知識を要する。
  • 3与えられた曲の冒頭部分に続けて、旋律を創作(楽器の選択肢あり)。
  • 4ピアノ譜、または混声合唱のオープン・スコア、または声楽を含むアンサンブル・スコアからの抜粋より設問。装飾記号の奏法や和音分析、楽句の構成、様式、声楽や楽器の演奏法を含め、楽曲分析や読譜力の知識が広く問われる。