英国王立音楽検定(ABRSM)

実技検定

実技検定は、導入グレードとしてのイニシャル・グレードから最上級のグレード8までの9つのレベルに分類されています。受検者は来日検定員による対面式検定と、撮影動画を提出するパフォーマンス・グレードの二つの受検形態から選択することができます。鍵盤、弦、声楽、木管、金管、打楽器等、あらゆる楽器にて受検が可能です。
配点は150点満点中100点以上で合格となります。
なお、グレード6以上を受検するためには理論検定またはプラクティカル・ミュージシャンシップでグレード5以上の事前取得が必要です。

対面式グレード検定

一度の検定の中で、課題曲3曲、スケール&アルベジオ課題、初見課題、オーラルテスト(口頭試問による聴音)の4つの分野を実施します。希望者には、日本語通訳を入れることができます(別途通訳料がかかります)。

1.課題曲
各楽器ごとに出されている要項に基づき、課題曲リストA・B・Cの中から一曲ずつ選曲の上演奏します。
A・B・Cの演奏曲順は自由です。受検者は、課題曲演奏と後述のスケール&アルベジオ課題につき、演奏する順番を選択することができます。

2.スケール&アルベジオ課題
各楽器要項にグレードごとの出題範囲の記載があります。記載されているものの中から、その場で検定員が選択のうえ出題します。

3.初見課題
各楽器要項にグレードごとの出題範囲の記載があります。受検者には30秒前後の予見時間が与えられます。

4.オーラルテスト
検定員によりピアノを用いて行われます。一部の楽器をのぞき、ほぼすべての楽器で共通の課題となります。各楽器要項にグレードごとの課題範囲の記載があります。

プラクティカル・ミュージシャンシップ

実技演奏を通して音楽理論の理解度をはかる検定で、実技検定の期間中に同じ会場で実施します。
対象グレードは1から8までとなります。

パフォーマンス・グレード(オンライン動画検定)

課題曲3曲、自由曲1曲の合計4曲を撮影し、動画を提出することで審査を受けます。スケール&アルペジオ課題、初見課題、オーラルテスト(口頭試問による聴音)はありません。

<曲目数>
課題曲3曲(課題曲リストA・B・Cから各1曲)と自由曲1曲の合計4曲を演奏します。演奏曲順は自由です。プログラム構成も評価対象に含まれます。

<自由曲選択の留意点>
自由曲は受検グレードと同等、あるいはそれ以上のレベルであることとされます。課題曲リストからの選択も可能です。選択曲は現在出版されているもの(オンライン含む)を使用する必要があります。
各グレードごとの最低演奏時間は下記の通りです。

グレード 自由曲最低演奏時間
イニシャル 00:20
1 00:25
2 00:35
3 00:45
4 00:45
5 01:00
6 01:30
7 02:00
8 03:00

<演奏時間>
トータルの演奏時間は下記の通りです(演奏を開始したところからの時間)。曲間のブレークを含みます。

グレード 合計演奏時間
イニシャル 05:00
1 6:00
2 7:00
3 8:00
4 10:00
5 12:00
6 15:00
7 20:00
8 25:00

<動画撮影>
4曲の連続した未編集の演奏であること。
演奏前にプログラムリスト(※1)を読上げること。
演奏前に自由曲の楽譜1ページ目(※2)をカメラにかざすこと。
演奏前に必要事項(※3)をカメラに向かって述べること。
演奏前に受検者ID(※4)をカメラにかざすこと(グレード6以上)。

※1 プログラムリストはこちら
※2 曲目、音部記号、調性、拍子、テンポ等演奏に関する指示事項、初めの数小節が見えるように(全ページが見える必要はありません)
※3 プログラムリストに記載した氏名、演奏楽器、グレード、曲目、作曲者、リスト番号を演奏順に述べる
※4 写真付きのID(運転免許証、パスポート等、ID作成用テンプレート

<撮影機材と条件>
スマートフォン、タブレット、ビデオカメラ等。
解像度は720pに設定すること。
手で持たず固定させること。
受検者、楽器、譜面台などが明確に見えること。
鍵盤楽器の場合、鍵盤全体、ペダル(使用する場合)も視野に入れること。
動画のサイズは2GBに収めること。
動画の形式はMP4、WMV、MOV、MPGのいずれかにすること。※事前に何度か試し撮りを行うことをお勧めします。

<動画提出>
ご自身のアカウントにログインし、アップロードします。アップロードは1回のみ可能です。撮影・アップロードマニュアル

<動画の再利用について>
提出動画はABRSM検定の目的のみに使用され、転用は不可です。他人への送付、FacebookやYouTube, Ticktok, Instagram等SNS
へのアップロードは禁止です。違反した場合は失格になる場合があります。

<撮影サポートについて>
日本事務局では、撮影の場所の確保が難しい、撮影に関して不安がある、説明を受けたい、などさまざまなケースのサポートをお
こなっています。お気軽にご相談ください。
日本事務局内(西早稲田)にて撮影場所の提供、撮影・動画提出サポートもおこなっておりますので、以下をご参照ください。

撮影サポート申込

その他の検定

合否判定のない実技検定

プレパラトリーテスト

楽器を始めて半年〜1年未満の子どもの初心者を対象とした検定で、基礎的な練習曲、課題曲、自由曲、聴き取りゲーム(簡単なオーラルテスト)を行います。合否判定がなく、その場で受検証書が発行されます。
一部の楽器(ハープ、ビオラ、サキソホーン等)をのぞき、受検が可能です。このテストの教材は専攻楽器別に出版されており、自由曲以外のすべての内容はそれぞれ一冊のテキスト「プレップ・テスト」にまとめられています。

オープンミュージックアセスメント

合否判定のない、21歳以上の大人のための演奏検定です。制限時間は15分で、時間内であれば何曲でも演奏することができます。講評が記載された受検証書がその場で発行されます。合否判定があるグレードの受検には至らないが、何か目標を決めて人前での演奏に取り組んでみたい方、上級者・指導者で演奏レベルの維持、向上を目指す方、また本番前のリハーサルとして取り組みたい方、などにお勧めします。
実技検定に準じあらゆる楽器にて受検可能です。ハンディキャップのある方には年齢を問いません。
実技検定の期間中に同じ会場で実施します。

アンサンブル

2〜10人までのさまざまな楽器(声楽含む)の組み合わせが可能な合奏の検定です。初級、中級、上級の3つのレベルに分類されています。様式、テンポの異なる楽曲2曲を任意で選択して演奏します。 ピアノ管楽器・弦楽器のデュオ、ピアノトリオ、ストリングスカルテットなど、さまざまな組み合わせが可能です。

<お申し込み方法>
ご自身のアカウントにログインし、オンラインでエントリーします。

※申込期間以外はエントリーできません

初めての場合はアカウントの作成が必要です