財団紹介

創設者の理念

撮影・海田悠

音楽家は楽器と共に新しい表現を創出してきました。楽器は人間をインスパイアし、人間は道具としての楽器の限界を押し拡げようと進化させました。その結果、新たな楽器が生まれ、そしてまた新たな表現が生まれてきたのです。このように表現の進化は楽器の進化無しには成し遂げられないものです。
デジタル時代の電子楽器の進化には楽器同士の共通言語が必要不可欠でした。
1983年に世界統一企画として誕生したMIDI(Musical Instrument Digital Interface)がすべてのクリエーターに開かれた音楽制作・演奏の環境を提供したように、音楽に於けるテクノロジーは常に人々に創造の喜びをもたらすものでなければなりません。

名誉顧問 梯 郁太郎
1930年、大阪府生まれ。独学で腕時計の構造を学び、1947年、16歳でかけはし時計店を起業。その後、1954年、カケハシ無線(電器店)を開業。1960年、28歳の時に趣味であった電子楽器の製作に本格的に取り組むため、電子楽器製造のエース電子工業株式会社を設立。1972年、自ら設立したエース電子工業を退社し、同年にローランド株式会社を設立。1983年、電子音楽の世界共通規格MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の制定に貢献。長年にわたり電子楽器の発展、普及に努めた多大な功績により、1991年、バークリー音楽大学から、名誉博士号を授与、2000年にはハリウッドにあるロック・ウォークに手形を残し殿堂入りした。2013年には、楽器・映像機器メーカーATV株式会社を新たに設立。同年、個人としては日本人初の受賞となるテクニカル・グラミー・アワードを受賞した。2015年、ATVとして最初の製品エレクトロニックドラム「aD5」を発表。また、2016年には、エレクトロオーガニック・パーカッション「aFrame」を発表。2017年4月1日に心不全のため亡くなるまで、常に革新的な楽器を世に送り出し続けた。